最終更新日 2024年11月21日 by llabos
1,国や地方公共団体による助成の機会が増えている
スポーツの分野はオリンピックや国民体育大会などでさまざまな優れた成績を獲得している選手が多いにもかかわらず、これまでは産業や科学技術のような国を挙げての応援には乏しいところがありました。
ところが近年ではこのような実績が評価され、スポーツ庁のようなスポーツの振興にかかわる専門の官庁が組織されたこともあって、あらためて国や地方公共団体による助成の機会も増えてきています。
これにはいろいろいと種類がありますし、応募するにあたっても一定の要件を満たすことが必要です。
しかし逆に要件を満たせば比較的容易に資金が得られる可能性もありますので、新規の募集情報をアンテナを高くして収集する必要があるといえるでしょう。
特にこの分野で有名なものとしては、サッカーの試合の結果を対象としたビッグやトトなどのくじの販売収益を活用した助成金です。
くじの売上金の半分は当選者に対する払戻金に充当されていますので、売上金の金額がそのまま助成金に変わるわけではありませんが、残りの半分から経費や国庫納付金などを除外した部分がさまざまな民間団体や地方公共団体への助成などに使われています。
2,競技強化支援事業助成について
このなかでも競技強化支援事業助成とよばれるものは、オリンピックでのメダル獲得率の倍増を目標にして、すでに獲得期待が高い競技種目または重点強化すれば獲得が見込まれる競技種目について、選手の強化活動のための経費に助成が下りるしくみです。
同様に国内のトップリーグの運営に関連した研修会の実施や、その他の活性化の取り組みのために必要な経費の助成も行われています。
これらは必然的に助成対象になる団体が限定されてしまうため、さらに一般の民間団体または個人の選手にとっても使いやすい助成金制度も存在します。
スポーツ振興基金助成はくじの収益をもとにして設置された基金の運用により維持されている助成金のひとつで、種類としてはさらに分かれていますが、たとえばオリンピックやパラリンピックの強化指定選手個人への助成のほか、国内合宿や海外合宿などの選手強化活動に対する団体助成、全国または国際規模の競技大会や講習会の開催に対する団体助成などのメニューが挙げられます。
3,身近なスポーツ振興くじ助成
さらに身近なところではスポーツ振興くじ助成がありますが、これは地方公共団体と民間団体が助成対象となっており、スタジアム建設などの大規模な施設その他の地域の拠点となるような施設の整備、総合型地域スポーツクラブの活動に対する助成などがあります。
特に後者に関してはクラブの立ち上げにかかるさまざまな経費や、クラブアドバイザーの配置などの入用に充てることができるようになっています。
ほかにも地方公共団体や関連する外郭団体から民間の団体に支出されるような助成金もあり、小規模なクラブなどであれば、国レベルの制度に応募するよりも、むしろこちらのほうが採択されやすいはずです。
たとえば東京都では体育協会に補助金を支出していますが、その体育協会ではジュニア育成地域推進事業などのいくつかの事業を通じて、小中学生や高校生を対象とした教室や大会の開催、指導者の養成研修などの地域での取り組みに対して助成をしています。
これと同様にシニア層を対象とする取り組みなど、助成ができる事業にもいくつからのバリエーションがありますので、積極的に申請をすることによって、資金の確保に努めるのがよいでしょう。
いずれにしても現在では国レベルと地方レベルの双方で、さまざまな制度が用意されるようになってきています。
特定の上部団体に加盟していることが条件の場合もありますので、このあたりを交付要綱などを見てチェックしつつ、ふさわしい助成金を探すのもたいせつです。